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2010年09月15日(水)11:03Aちゃんのしゃぼん玉 8月のある日、赤ちゃんクラスの子どもたち7人をバルコニーに連れ出しました。外は、曇り空で湿度はあったものの、時々風も吹いており、涼しさを感じました。7人の子どもたちは、隣の犬を見下ろしたり、園庭を眺めたり、思い思いに遊びはじめました。 暫くして私はしゃぼん玉を吹き始めました。飛んで行くしゃぼん玉を見つけた子どもたちは、追いかけたり、両手で叩こうとしたり、満面の笑みを見せてくれます。 そんな中、柵につかまり、目の前にゆっくり飛んでくるしゃぼん玉に向かって真剣な表情で手を伸ばしているAちゃん(10ヶ月)がいました。一つのしゃぼん玉だけを見つめ全く動く事も無く見続けていました。そのしゃぼん玉が壊れると手を下ろし、少しの間遠くのしゃぼん玉をみていましたが、また目の前に飛んで来ると、同じように手を伸ばし見ていました。現在つたい歩きはするものの、Aちゃんは柵につかまったきり、歩く事はせず手を伸ばし見つめ続けるだけでした。その姿はまるで虚につかれたかのようでした。しゃぼん玉に見とれ、触ってみたい、つかまえたい、しかし、足が進まないというAちゃんの心のうちが手をとる様に感じられました。 しゃぼん玉というのは風に乗って飛んでいきます。ロマンも夢もありますが消えていくのが儚い。大人でも見とれてしまいます。子どもたちにとってもわくわくする何かを感じさせるものかもしれません。
(保育士 川畑かおり記)
グライダーポーズ 平成22年8月12日
連日猛暑の続く、7月某日。いつものように子どもたちの様子を見廻る。赤 ちゃんのクラスを覗いた時、布団の上でうつ伏せになって、両手両足を浮かせ、 気持ち良さそうにゆらゆらしているH(4ヶ月21日)の姿が目にうつった。久 しぶりに出会う新鮮な姿に、部屋の中に入ってしばらく見守る。 「いつもこうしているの、どれくらいの時間このようにしているの」と、担任 に聞く。 「よくしますよ、かなりの時間」との返事。 お腹で身体を支えて飛行機さながらの格好である。気持ち良さそうにゆらゆ ら。顔を横にして頬を少しの時間布団につけては、くり返している。少しの時 間とは、ほんの1秒くらい。グライダーポーズである。飽きなく繰り返すHを 飽きなく観察をはじめてから10分経っても、Hはにこにこしてご満悦の境地。 「私が来る前は、どれくらいしていたの」と聞けば、 「5分位はしていました」と担任の言葉。そして「そろそろミルクの時間です。 朝7時40分に飲んでいるのです」と。 今12時10分。逆算すればもう4時間越している。 「まだ大丈夫、このまま見守りましょう」と、先生たちに言って観察を続ける。 今日は土曜日、子どもの出席数が半分の6名で、先生が3人ついている。後 の子どもたちはお昼ごはんを済ませて、就寝前のひとときをそれぞれに楽しん でいる。這う子、よちよちの子。ゆるやかにクーラーも入って静かな環境。 同じポーズをなおも繰り返すH。執念というか生命力というか4ヵ月と21 日の赤ちゃんに頭が下がる。 やがて疲れと空腹を感じてきたのか、頬を布団につけて指しゃぶりをしたり、 身体をそらして「ギャー」と叫んだりし始めた。そろそろ限界かなぁ、と時計 を見ると針は12時半に近づいていた。 先生からおむつを替えてもらい、抱かれてミルクをのむHの姿には晴れがま しいものがあった。因にグライダーポーズは35分続いた。 (猪俣 記)
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