|
|
|
2011年06月21日(火)13:15ダンゴムシはカニ? 昨日降った雨に、程よく園庭の土が湿っています。草取りには丁度良いようです。子どもたちは早くも、砂遊びや滑り台、ままごとなどに興じています。隅の方で、草取りを始めると、だんご虫がたくさんいたので、「うわぁー、だんご虫がいっぱいいる。」と叫んだら、「ドコ―」「チョウダイ」「トッテ」と、寄って来ました。私はしばらく子どもたちと楽しんでいました。 方や、離れて遊んでいた2歳3カ月のKちゃんが、「カニ〜」と言っています。「えっ、かに?」と不審に思い行って近づくと、だんご虫でしかありません。小さい身体をゆらして歩いています。「だんご虫だよ」と言っても「カニ」と言います。「はい!」と私は捕まえて、Kちゃんの手のひらにのせてあげると、「ダーゴムシ」と言ってにっこり笑いました。そこには小さく丸く転がっているだんご虫がありました。 それから二日後、また、私が草取りをしていると、「セーセー、カニ」と知らせに来たのは、例のKちゃん。たくさんのだんご虫が、ぞろぞろ歩いていました。持っていた器に捕まえて入れてあげると、「ダーゴムシ」と言いました。だんご虫は刺激をうけると球形になる習性があります。 丸まっていると「ダンゴムシ」、動いていると「カニ」と使い分けをするKちゃん。その不思議さに驚きました。他の先生にも同じように表現しているようです。 そこで、だんご虫とはいったい何者だろうと調べてみました。虫と称さるが昆虫ではなく、節足動物で甲殻類、つまりエビやカニの仲間であり、また、甲殻類の中で陸上の生活に完全に適応しているのは、ダンゴムシを含むワラジムシ類などである、ということがわかりました。 Kちゃんはその事を知っていたわけではありません。よく観察すれば確かに歩く姿はカニを想像させます。本能的というか、枠に囚われない感性の豊かさを知ると同時に、子どもに教えられた自分がいました。 保育士 川畑かおり記
どろんこ遊び 平成23年6月1日
四月になってポカポカと陽気な日が続き、上着を脱いでも汗ばむ頃があります。そんな時、子どもたちは自らどろんこ遊びに興じます。また夏には、それこそ思い切り身体を使ってどろんこのお風呂も登場します。やがて肌寒い秋が来て、それから急に冷えこむ冬を迎えたかと思うと、暖かい春のような日が訪れます。小春日和といいます。その時又、どろんこ遊びが展開されます。そうして本格的な冬になれば、泥でこねた土のおだんごが園庭にはいっぱい並べられます。 子どもたちにとってどろんことはーそうです、「自然まるごと」が人生の教師なのです。 英国のある新聞社が「この世で一番幸せな人は誰か」という懸賞を募集しました。賞を獲得した回答には、一番は「砂のお城を築いている幼児」。因にあとの三つの回答は、 ・大手術に成功した外科医 ・作品の完成を前に口笛を吹く工芸家 ・一日の家事を終えて赤ん坊をふろに入れる主婦 だそうです。 おむつを脱いで素っ裸になった幼児は、浜辺で砂や泥と遊びます。日が落ち 始め、風が冷たくなっても親が止めても、砂や泥遊びに夢中です。 大人になってもどろんこの山道を歩くのが好きというのは、ノーベル化学賞に輝く福井謙一博士。 自然にどっぷりつかり、自然まるごとの認識が創造力を養うのではないでしょうか。 猪俣美智子記
註 文集『たんぽぽ』/曽師保育所発行/1988(昭和63年).3より
|
|
|