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背景/保育所玄関脇壁画より 津江克美先生作
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2012年10月03日(水)14:07
オキハ ナミ タカイゾ

 花火を合図に、とりどりのカラーテープが船の甲板から一斉に投下され、テープの雨の中に私は立たされた。
 見上げる甲板に我娘は必死になって、「わたしの投げたテープをお母さんは拾ったかしら」と見下ろしている。別なのを拾って、「分からない、これでいいでしょう」と合図を送れば、しばらく諦め顔をして、やがてにっこり笑った。
 中学二年生。「少年の船」(註)に自ら希望して沖縄への研修旅行に向かう灼熱の七月である。
 思えば一歳三ヶ月の頃、足腰が達者になって公園へ連れて行った時、タッ タッ タッ と滑り台に走り寄り、一人で階段をよじのぼり、母親の背丈より高い位置に立ち、得意気ににっこり笑って見下ろしたのを。そのことを自立の第一歩と認識したことがあった。
 その次は片言が出るようになり、親しい近所の奥さんの家に、夜は泊まると言って電話で「アーチャン、ヒトリ、サビシクナイ?」と母親から離れたのがニ度目の自立だった。
 その次は、小学校六年生の修学旅行、それから先達ての長崎、秋吉台へのこれも修学旅行。親を離れて自立への道がつづく。そしてこの度の「少年の船」。
夏の真っ盛りに南の国沖縄へ四泊五日の船旅には、それ相当の体力、勇気、知力を要するだろう。門出に当たって三十分程の出航式があったがバタバタと倒れる子が十一名も出た。
 昔からの、わらべうたに「舟こぎ遊び」といって、赤ちゃんから楽しめるものがあります。
 「ギッコン バッタン ヨイショブネ
 オキハ ナミ タカイゾ」
 やがて巣立つ子どもたちよ。自分の人生は自分の手(艫)でこぎなさい。海の沖の方は波が高いですよ。その荒波をのりきってほしいという願いをこめた遊びです。
 私たち保育士及び大人は、子どもたちにやさしい愛情をふり注ぎながら、強くたくましく生きていく力を、身につけてあげることは、いつの時代にも求められると思います。
                                          平成24年10月  猪俣美智子

註:「少年の船」は1991年7月に実施され、第1回から現在に至る。
   「少年の船」は毎年春・夏休みに全国の小・中学生を公募し、大型客船
   を使用した団体研修と訪問地(北海道・沖縄・中国・韓国)でボランテ
   ィア活動などを通して子供たち一人ひとりの精神力の強化を目的とした
   教育合宿です。
   (財団法人少年の船協会公式HPより)


   しあわせ風船 平成24年9月5日

 町の広場は、いつもの仲間が集まって遊んでいました。カエルの親子や、おサルのモンちゃん、ネズミのチューくんなど、今日も一緒に仲良く遊んでいました。でも、今日は何やらヒソヒソばなしをしています。というのは、この町にもしあわせをみんなに分け与えてくれる風船がやってくるからです。町のにぎわいは、いつもとちがい、ワイワイガヤガヤです。
 そのしあわせ風船を運ぶ兄弟は、兄の名前がピーター、弟の名前がパンターです。この風船を持っているものは、この兄弟だけなのです。他には誰も持っていません。みんなは「どうしたら、あのしあわせ風船をもらえるのだろうか?」「どうして作るのだろうか?」と不思議そうに考えていました。
 今日はそのしあわせ風船がこの町にも、やってくる日なのです。
 町の中は、いろいろな仲間がたくさん集まりました。ネズミのチューくんは、早くほしくて、この場所へ一番はじめにやってきたのです。
 「もうこの町にも来てもいい頃なのになぁー」と待ち遠しそうに、あっちにいったり、こっちにいったり大変です。
 すると虹の向こうから、すいすいと泳ぎながら、こっちに向かって近づいて来る、二人の姿が見え始めました。町の仲間たちは「あれだ、あれだ!あれがしあわせを運ぶ兄弟だよー」「とうとうやってきたんだねー」と大変な騒がしい様子です。
 その「不思議な風船」「しあわせの風船」を持ってきた兄弟は色々な夢をつめた風船をもってこの町にやってきたのです。
 兄のピーターは「この町には、町の仲間がしあわせに、そしてケンカをせず、仲良く暮らしていける風船をおいていこう」そういって、ひとつの赤い風船をおいていきました。みんな大喜びです。
 「ありがとう!」二人の兄弟に大きい声でお礼をいいました。
 このしあわせを運んでくれた兄弟—。次はどの町へ行くのでしょう?明日はあなたのお家にやってくるかもしれませんねー。
                                            保育士 谷口千鶴子

 註 昭和52年5月25日 第10号 曽師保育所『園だより』より。 
   保育所の玄関脇にある壁画をみてお話を作りました。


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