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背景/保育所玄関脇壁画より 津江克美先生作
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2013年03月06日(水)11:50
かおり先生は怒っている

 当保育所のホールに大きな七段飾りの「おひな様」を飾った。赤い敷毛氈に並んだおひな様に、子どもたちは目を輝かしている。ひなまつりの歌を聞けば「いっしょ」、絵本におひな様の写真があると「いっしょ」と言っているのは、一歳児クラスの子どもたち。
 ある時、夕方遅くに親のお迎えを待っていた未羽ちゃん(2歳9ヶ月)、つくづくおひな様を眺めていて、五段目の三人仕丁のひとりを指差し、「かおり先生」と言う。側にいた保育士の二人は、熊手を持って怒っている姿に、目をあわせ「ん?」。そんな筈はない。怒る先生ではない。また聞くと、「かおり先生」と言う。保育士が目の部分に手をあて「かおり先生?」と念をおせば黙っている。もしかして頬を、と思い「かおり先生?」とまた聞いても黙っている。その時一人の保育士の頭をある光景がよぎったので、仕丁の持っている熊手に「これ?かおり先生?」と聞けば「うん」と首を振る。なるほど、と思う。
 というのは、その日隣地の駐車場整備を熊手で彼女がしていたのを、フェンス越しにじっと見つめていた未羽ちゃんがいたからである。
 一歳児の子どもにはまだ意味を充分に伝えることができない。「かおり先生が持っていた熊手だといっしょだね」と充分に伝えることはできない。つまり大人と子どもの「意味のとり違い」が生じたようだ。かおり先生は、この話を聞いた時、「時々、怒るからそう言われるのだ」と少し傷ついたようです。でも、誤解は解けましたよ。        
                                              猪俣美智子 記


   子どもと労働   平成25年3月6日

 当保育所の園庭には土ばかりのコーナーがあります。梅雨前にはどろんこ遊び、その後はお団子作りをする為、土を柔らかくしなければなりません。私がシャベルに足を掛け、土を掘り起こしていると、2〜3人の子どもたちもおもちゃの小さいスコップを持って来て同じようにスコップに足を掛け真似をしています。スコップが小さいので足を掛けてもすぐにずり落ちます。それでも何度も足を掛け掘り起こそうとしてくれます。その微笑ましい姿を見た時には嬉しくなりました。
 その他にも草取りや植木の水やり、園庭の整地など私がしている事を興味津々と見ています。「手伝ってよ」とお願いすると草や芝を思いっきり引っ張ったり、ペットボトルに入れた水を植木まで運んでかけたり、砂を砂場まで運んでくれたりしてくれます。
 子どもたちは大人の労働する姿を日頃からしっかり見ているのですね。労働は子どもと無縁のように思いますが、大人の働く姿を見て、真似し、やがて自らも人間的な労働に身を投じていくことによって自立する人間になっていくのだと思います。
                                            主任保育士 川畑かおり


   負げねっちゃ 締めねっちゃ 生ぎるっちゃ  平成25年2月4日

 2011年3月11日の東日本大震災は未曾有のものでした。
 それから1年過ぎた2012年5月の頃でした。『大震災五七五の句集 負げねっちゃ』(方言を語り残そう会 発行:銀の鈴社)の案内を知って取り寄せ、当所の保護者及び職員に配布しましたところ、それぞれの感想が寄せられました。それをこのまま風化することなく、まもなく2年目を迎えるにあたり、その
いくつかを掲載したいと思います。

 この本はかわいい手のひらサイズで私のお守りとしていつでも持ち歩きたいと思います。ありがとうございます。初め『負げねっちゃ』…て、どういう意味かわからず、自分流に声を出し、東北弁で読み進めていく内に、だんだんとわかってきました。
 私は最初の「行って来っから母ちゃん」の所で普通の家族が、朝食を食べて出かけたのに、もう午後は、町も、家も、家族も何もかもが流され、わからず、今でも夢を見ているようだという所を読んだら、その風景を想像し、胸がいっぱいになり、涙が出てしまいました。この大震災の方言は、体験した人が悲しい気持ちをふりしぼって話されたのだと思います。お一人お一人の気持ちを忘れず、私も、今ある命、穏やかな日々に感謝しつつ、一日一日を大切に送りたいと思います。
 私も 負げねっちゃ!                                     (別宮キヌヨさん)

 私の子どもの父親は、福島県田村市出身で、原発から35kmの所で、実家はギリギリ避難区域外でした。
 震災の時、春休みに、里帰り予定だったのですが、中止に…。句集をみながら、涙ぐんでいました。宮崎の家も海岸に近く、もし、同じような震災が来たら…、今でも、ちょくちょく夢をみます。私が仕事中であれば、会員の方(お客様)の命を守ると思うので、子どもたちには、生命力があると思うので、自分のやるべき事を考えるかなぁ〜。
 日頃から、子どもたちとも話をして、命を守る事を考えていきたいと、あらためて思いました。
                                                   (関根恒美さん)

 方言でわからない所がありましたが、それでも震災の怖さ、辛さ、悲しさ、また人としての助け合う姿が生々しく伝わってきました。読んでいくと、胸が痛くなるばかりでしたが、このような状況の中でも生き残った方々は、今を精一杯力強く生きていることも伝わってきます。
 二ユースをみる度、私にできることは無いのか?と考えますが、ボランティアに行く勇気も無い私は募金をすることしかできませんでした。しかし、大人の私たちが知らない子どもたちに伝えていくことが義務なんだなと改めて感じ、実行していきたいと思っています。私は子どもの頃から教科書や親(大人)から阪神・淡路大震災のことを学んできました。過去を知って未来へ繋げていくことの大切さ、これを大人になって理解できるようになったので、次は私が受け継いでいきたいと思います。
                                                  (大下祐香さん )

 震災の詩、読ませていただきました。私も阪神・淡路大震災の時は、まだ宮崎に引っ越しして来ておらず、大阪に住んでいたのですが、大変怖い思いをしました。神戸では転校した友達のご両親が亡くなったり、行方のわからなくなった親戚もいます。人事とは思えない災害に「少しでも」と思い、寄付に協力したりしてきました。こども(2歳4ヶ月)がいるので、ボランティアに行くことができないため、何かできることはないかとニュースを見る度、思います。
被災地の皆さまが少しでも早く余震におびえず眠れる夜がくればいいなと願うばかりです。
                                                   (堀口啓子さん)

 いただきました『負げねっちゃ』の句集を読み、こうして何事もない平和な毎日を過ごせていることがどんなに幸せなことなのか改めて感じさせられました。この大震災により気付かされた大切な事をしっかりと胸にきざみ、子育てをしていきたいと思います。このような形での被災地支援があることを伝えてくださり、小さな本一冊から私たちにも出来ることがあることを知りました。
                                                   (野澤夕子さん)
 「行って来っから」いつもと同じ朝だったのに「ただいまぁ」の声はない。
深い喪失感がズンと伝わってきました。私も子どもの頃に同じような経験をしているので、泣きながら読みました。でも、読み進むうちに、人間ってすごい!と思いました。うずまく感情を押し止めて短い言葉でしっかり自分の生を表現している!しかも、がれき山の小さな花に希望を見出して!人間って弱いけど、やっぱり強い!この句集を読めましたことを感謝します。            (菊池郁子さん)

 一つ一つの詩や句は、当時のテレビの映像を思い浮かべながら、東北弁に全く縁のない私にも方言だから味わえる意味のふかさ、悲しみ、辛さに涙し、その言葉が重く突き刺さりました。
 未曾有の大震災で一瞬にしていろいろな大切なものを失なわれた中で、思いやりを持ちお互いに助け合い復興という希望を胸に、その生きる逞しさと根性に敬意を表したいとおもいます。
 「負げねっちゃ 締めねっちゃ 生ぎるっちゃ」私たちにも生きる勇気を与えてくれる言葉です。
                                                   (山田アツ子さん)

 方言で書かれているので、被災された方々の思い、心の声がそのまま伝わり、とても心が痛みました。辛い過去だけど私たちは決して忘れてはいけない…。
自分の子どもたちにもいつか読ませたいと思います。                  (竹原佳邦子さん)

  大淀川
          いのまたみちこ
 わたしの街を 
 ゆったりと流れる大淀川
 河口のほとりを散歩するのが好き
 うれしい時はうれしいように
 悲しい時はかなしいように
 わたしの心によりそってくれる

 けれど
 あの東日本大震災の
 大津波のように
 おまえも
 牙をむくのか
                           註:掌の本『しぜんの詩・1』2012年5月 銀の鈴社
       
                                編集責任者 猪俣美智子(いのまたみちこ)

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