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2009年05月27日(水)14:30ブランコ 5月は散歩に良い季節だ。当所から宮崎中央公園(俗称 文化の森公園)ま で約1km余りある。2歳児の子どもたち7名を、お散歩リヤカーに乗せて、引 率の先生3名で出発する。道路は車の交通量が多いので、乗り物を使用。この 時期は公園に、他の保育園や幼稚園の子どもたち、又、小学校の生徒たちも遊 びにくる。ブランコにすべり台、コンビネーション遊具等の固定遊具があり噴 水、鯉のいる池、そして1周350mの芝生の広場もある。それから日本のH-I ロケット模型(実物大 全長40m 外径約2.5m)が設置されてある。公園 内には樹木が点在している。 そのような魅力ある公園を、ややもすればそのすべてを先の子どもや、生徒 に占められて2歳児の子どもたちにとっては、術もなく公園内のぶらぶら散歩 に切りかえることになる。それでも楽しさに変わりはないが…。 今日のねらいは「ブランコ乗り」にある。幸いにも公園は貸し切りの状態で ブランコがすべて空いている。ラッキーと声をあげる。それぞれに子どもたち は腰掛けて、先生から押してもらう。初めてなのか緊張した面持ちも次第に解 けて、揺れの心地よさに慣れ、笑顔がみられる。中にはかなり振っても平気な 子もいる。しばらく遊ぶ。樹々をわたる緑の風が頬にやさしい。 「揺れ」に対しての原体験が、子どもたちにとって豊かなものとなることを 願い、ブランコに続いてコンビネーション遊具へと足をのばす。 (猪俣 記)
影ってなぁーに?−その1− 2歳児担当保育士が9ヶ月間にわたって試みた、保育実践記録です。3回シリーズでお届けしたいと思います。
はじめに 4月になると、5月の子どもの日を前にして、早くから保育所の庭の上空には、ロープにつるされた鯉のぼりが10匹以上およぎます。ある晴れた日、風に揺れる鯉のぼりの影が地面に映っているのを見つけたAちゃん(2歳5ヶ月)「怖い!」と言って私の所に逃げて来ました。「怖くないよ、鯉のぼりの影だよ」と言っても分かるはずがありません。そこで、影とは何かということについて他の子どもたち13名共々に教えて行きたいと思いました。 園庭の地面に映る物や人の影を指差し「これが影だよ。」と教えました。すぐに理解してくれるのではと思っていたのですがBちゃん(2歳6ヶ月)「かぎ?」(大人からみれば、影と言う言葉を聞き違えて)と言ったり、子ども自身の影の前でCちゃん「影ってどこ?」と周囲を探したり、影だと指差した地面の土を指でつまんで眺めたりしていました。人の影より鯉のぼりの影の方が興味を示し、分かってくれるのではと思い地面に映った鯉のぼりの影を指差しては「ほらー影だよ。」と繰り返し教えました。子どもたちは、鯉のぼりの影を見つけると、その影を捕まえるかのように地面の上を追いかけまわっていました。相変わらずAちゃんは風に揺れる鯉のぼりの影を「オバケ」だと言っていました。この頃、鯉のぼりの影が見える日は「これは影だよ」と教えていたのですが、ある日、月刊誌の付録としてあった鯉のぼりを見るなりDちゃん(3歳1ヶ月)「先生〜これ影よね?」と言っていました。鯉のぼり=影と認識しているのでしょうか、あまりにも熱心に教えすぎた結果だと反省してしまいました。2歳児の子どもたちに、影ってどうやって教えたら良いのだろうと影をなぞったり、影ふみをしたりと、考える日々が続きました。
1 絵本 『かげ』 月は替わり、『かげ』(五味太郎 著)という絵本の読み聞かせをしました。この本には、人の影、物の影などが繰り返し描かれています。その本を読み続けて10日ほど経った頃、数人の子どもが物や人の影を見てEちゃんが「これ影やね?」と言っていたのを見て正直気が抜けました。最初から本を見せたら分かってくれたかな、あれだけ苦労したのになぁ、と思う反面、影を知ってくれたという事に喜びも感じていました。 日高由香子 記
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